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自社でクラウド会計ソフトを契約し、クラウド会計に強い税理士と顧問契約をする場合、顧問料は安くなるのか?

と疑問を持たれる方も多いです。今回の記事ではその疑問に回答しながら、クラウド会計に強い税理士の探し方についてご説明していきます。

格安の税理士もいる

クラウド会計を使えば税理士の顧問料は安くなるのか?という疑問についてですが、クラウド会計を活用してデータ連携により自動入力を行うことができれば記帳代行料金については安くなる、というのが主な回答となります。
税理士の顧問料については、無形のサービスであるため、有形のサービスと異なり、何が含まれているのか曖昧なところがあります。
顧問料に含まれるものの例として、試算表の作成や相談、指導、助言、提案、税務スケジュールの管理、届出書の作成・提出等があります。
税理士に支払っている月額の料金は主に顧問料と記帳代行料から成り立っており(明確に区分していない事務所もあります)、クラウド会計を使ったからと言って顧問料の部分は安くならない。というのが基本的な考えとなります。 従来の税理士事務所では、顧客から入力資料を預かり、パートさん等の補助者が入力、所長先生や担当者がその入力された会計データを確認・修正をして試算表を作成する、というのが一般的な流れです。
そうなるとパートさんの人件費や、使用するパソコン、作業場所としての広い事務所が必要となり、そのコストは記帳代行料に転嫁されることとなります。
一方、クラウド会計をメインとしている事務所では、データ連携による自動入力で記帳が省力化できますので、パートさんの人件費や事務所家賃相当額を転嫁しなくても採算を取ることができます。 しかし、クラウド会計を使いこなせる税理士≒ITリテラシーの高い税理士、となりますので、面談をZOOMやMicrosoft Teamsといったweb面談ツールを利用することにより移動時間等を削減し、その部分で顧問料を低く設定している税理士もいます。
逆に、クラウド会計を使うことで記帳がスピーディーになり、省力化できるので、月次の面談時間の大部分を経営相談に充てられるようになり、顧問料がアップするというケースも考えられます。

クラウド会計を使えば税理士はいらなくなる?

クラウド会計ソフトを使えば税理士は必要ないのか?という疑問についてですが、税理士が必要でないケースもあります。

税理士が必要ない場合

クラウド会計ソフトを使い、税理士が必要でない場合は、個人事業主で売上と課税所得が少ない場合です。
クラウド会計ソフトの確定申告書作成の機能を使えば確定申告書は作成できてしまいます。(内容が正しいかどうかは別として)
また、青色申告決算書をクラウド会計ソフトから作成し、所得控除等も含めた申告書作成については、確定申告時期に税務署等で実施されている確定申告会場を利用すれば、税理士に費用を支払うことなく確定申告書を作成することも可能です。
消費税の申告も必要なく、課税所得も小さい場合は税務調査の対象になる可能性は低い傾向にあります。
課税所得が少なければ節税対策も少なく、効果も小さいため、税理士に払う費用に対して節税等の効果が少なければ、無理に税理士に依頼して申告をする必要はないかもしれません。

税理士が必要となる場合

①法人

法人の場合、個人の確定申告書とは異なり、法人の申告書は数十枚にもなります。
freee申告のように、クラウド会計ソフトとクラウド申告ソフトを利用すれば自社で申告することもできなくはありませんが、お勧めしません。
クラウド申告ソフトを利用すれば、自動的に申告書が作成されますが、会計事務所での勤務経験者でもなければ、出力されたものが正しいかどうかの判断がつかないためです。
自社で申告を数年されていた法人で、勘定科目の残高がマイナスのまま決算書を提出していたのを見たことがあります。
普通に考えたらおかしいのですが、社長は会計の専門家ではないので、おかしいことに気づかなかったようです。
その会社には当然のごとく税務調査がきましたし、税務的にも役員報酬を定期同額で支払っていない等、税務的にもかなり問題がありました。
また、決算書の作成の仕方によっても融資の受けやすさが変わることもありますので、専門家の目を通して、アドバイスも受ける方が望ましいです。

②売上、課税所得の大きい個人事業主

個人事業主の場合、自分でも確定申告が出来てしまいますが、ある程度の売上と課税所得がある場合には、税理士を通じて申告をした方が望ましいです。
消費税の課税事業者である場合、消費税の申告書作成は難易度が少々高いです。
申告書自体は会計ソフトの集計機能等を利用すれば作成可能ですが、勘定科目に対する税区分の設定が適切でないと正しく申告書を作成することはできません。
また、確定申告書に税理士の押印のない場合、申告を間違えている可能性がある為、税務調査の対象になりやすいということも考えられます。
65万円の青色申告特別控除を受けていない場合には、特別控除を受けることによって税額が少なくなります。
所得税の最低の税率は5%、住民税の税率は一律10%ですので、青色申告特別控除を受けることによって65万円×15%以上の税負担が減少します。
65万円×15%→約10万円、ですので、税理士に支払う費用のうち10万円分は実質無料ということになります。

クラウド会計に対応している税理士を探す


クラウド会計ソフトに対応している税理士の探し方は、「使いたいクラウド会計ソフトに登録している税理士」を探すことです。
クラウド会計ソフトのベンダーには、パートナー制度や会員制度がありますので、そこに登録している税理士を探すのが一番確実です。

マネーフォワードに対応している税理士を探す

マネーフォワードにはパートナー制度があり、こちらから検索することができます。
https://mfc-partner.moneyforward.com/
「プラチナ」、「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」の4つのランクがありますが、こちらは会費により分かれています。
「プラチナ」、「ゴールド」は大手事務所の多いイメージです。
2021年8月5日時点で、約2700のパートナー事務所がありますが、約半数は「ブロンズ」メンバーです。
「ブロンズ」は会費の発生していないメンバーになりますので、導入実績やサポートに慣れているという点において、「シルバー」以上のメンバーから探す方が確実かと思います。

freeeに対応している税理士を探す

freeeにも認定アドバイザー制度があり、こちらから検索することができます。
https://advisors-freee.jp/
認定アドバイザー制度は、☆の数(6段階)でfreeeの習熟度を判定しています。
こちらは、顧問先に導入したプランによって付与されるポイントに基づいたランク分けですので、☆の数が多いほど習熟度は高いと言えます。 2021年8月5日時点で、約2600の認定アドバイザー事務所がありますが、☆2つ以上の事務所はそのうちの1/3ほどしかありません。
freeeも認定アドバイザー制度の説明にて、「星0であればまだfreeeを使い始めたばかりのアドバイザーであるケースが高く、星2以上であればある程度freeeを使いこなせるアドバイザーだといえます。」
と言っており、☆が2つ以上の事務所から選ぶのが賢明かと思います。
会費でのランク分けではありませんので、少人数の個人事務所でも☆5つのアドバイザー事務所もあります。

弥生会計オンラインに対応している税理士を探す

弥生会計にも、PAP会員という会員制度があり、こちらから検索することができます。
https://www.yayoi-kk.co.jp/pap/location.do

オンライン会計ソフトの対応で絞り込みをすると、2021年8月5日時点で、1000弱の事務所が検索されますが、マネーフォワードやfreeeと比べると少ない印象です。

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